住まいの整え方

子どもの成長に合わせた片付けのポイント

2023.4.20

こんにちは。整理収納アドバイザー鈴木久美子です。

私の長男は、ついに小学校の卒業式を迎え、春から中学生になります。
片付けや収納のサポートをする中で、幅広い年代のお客様がいらっしゃいますが、ご依頼が多いのが私と同じ子育て世代のご家庭です。我が家の子どもたちはだいぶ大きくなりましたが、まだ小さいお子様がいるご家庭では、いろいろなお悩みがあるのではないでしょうか。

「物の量がどんどん増えてきて、片付けが大変。」、「自分の物なら管理できていたのに、子どもの物は整理するのが難しい。」という声もよく聞きます。
また、子どもは成長に合わせて、片付けや収納の仕方を見直していく必要があります。
今回は、お子様の成長に合わせた片付けのポイントをご紹介します。

ベビー期(0歳~2歳)の片付けのポイント

0歳のまだ動き出す前の赤ちゃんの時期は、特に困る事なく、大人だけの暮らしと同じように整理できると思いますが、1歳頃になり動き始めると、急に暮らしが変わってきます。
いつもバタバタしていて家が片付かない、と感じ始める人が多くなります。
安心、安全に子育てをするためにも、一度しっかり物の場所を考えてみましょう。

1. まずは安全性に気を付ける
この時期の1番重要な事は、安全性を考える事です。今まで当たり前にしていた収納も、改めて「安全かどうか」という目線で見直す事が大切です。
暮らしの中には誤飲が心配な小さな物、電池、薬、刃物など、たくさんの危険が潜んでいます。ゴミ箱や植物、割れ物なども手が届かない場所や、別室に移動する必要があります。
安全に配慮した収納を作る事は、子育てにゆとりをもたらしてくれます。

2. ベビー用品購入の検討
この時期のおもちゃやベビー用品は、サイズが大きい物が多く、収納するのが難しい物もたくさんあります。子どもが喜びそうだからと、何も考えないで購入してしまうと、後で悩む事になってしまいます。
ベビー用品に限った事ではありませんが、どこに収納するのかを決めてから購入するようにしましょう。
また、本当に短い期間しか使わない物は、レンタルをする、親戚やママ友と譲り合うなども良い方法かと思います。

幼児期(3~5歳)の片付けのポイント

この時期は、おもちゃの量が最も増える時です。
子どもはおもちゃで遊んで成長していくので、ある程度の量は必要だと思います。
ただ、お片付けに悩まれている皆さんは、大量のおもちゃの収納や管理の仕方が分からないのではないでしょうか。

1. おもちゃの増やしすぎに要注意
1番最初にお伝えしたいのは、おもちゃを増やしすぎないようにするのは親の役割ということです。
「子どもがおもちゃを片付けない。」、「いつも片づけに時間がかかる。」などのお悩みが多いですが、片付けられない量のおもちゃを与えたのは大人です。
近所の人からお下がりでもらったから仕方ない、という方もいますが、譲り受けて、子どもに与えたのは大人です。大人でもどうやって片付ければいいの…、と頭を抱えてしまうような量では、子どもが片付けるのはもっと大変です。
おもちゃの量と愛情は比例しませんので、本当に必要な量をコントロールしてあげてください。

2. ざっくり収納を心がける
次に気を付けてほしいのは、ざっくりとした収納を作っていくことです。
子どもにきっちり片付けをさせたいという気持ちから、細かく分類をして1つ1つ収納していくような方法にする方がいますが、この時期のお子様にはきっちりすぎる収納はあまり向いていません。
例えば、子どものお道具箱をイメージすると分かりやすいのですが、一般的に使われるのは昔から変わらず、仕切りのないシンプルなボックスです。
この時期は<文具は一か所にしまう>というルールで十分なのです。

お客様の中に、購入したおもちゃの箱と付属の透明なトレーにパーツを1つ1つしまっている方がいました。
もちろん子どもは無理なので、親が時間をかけて片付けをすることになります。さらには、片付けが面倒だから子どもが遊ばない場所にしまいこんでいました。

これって、なんだか矛盾していませんか?
小さな子どもでも、パっとしまえる<ざっくりとした収納>にして、おもいっきり遊んでもらえた方が嬉しくないでしょうか。

3. 収納する場所は分かりやすくする
収納ケースの中はざっくりでOKですが、物の場所はしっかりと決める必要があります。
この時期のお子様は素直なので、決めた場所に片付けをしてくれることが多いです。
文字が読めない時期はおもちゃの写真や、絵やマークを付けて下さい。マークの下に文字も書いておくと良いですね。
写真を撮るのが面倒だったら、パッケージの写真を切り取って貼ってしまうのもおすすめです。

(写真・絵・マークの例)
・お皿や食べ物の絵 = おままごと
・クマや人形の絵 = ぬいぐるみ、など

この時期から「使ったら元の場所に戻す」という事を徹底していきましょう。
もちろん、子どもが片づけてくれない事もあります。
「片付けなさい!」ではなく「一緒にお片付けしよう!」のように、一緒にやる事がポイントです。
もし、一緒にやってくれなかったとしても、1日1回はおもちゃが定位置に戻るように心がけてください。いつも出しっぱなしでは、子どもは片づける必要性を感じなくなります。
歯みがきと同じくらい、当たり前の習慣にしましょう。

娘が4歳の頃。ラベルに絵がなくても、場所を覚えて片付けられるようになっていました。

小学生低学年の片付けのポイント

1. 学校の用意は一人でできるように収納
特に気をつけて収納を作りたいのが、学校のお仕度コーナーです。もちろん、最初は親が声をかける事もありますが、基本的に自分一人で準備できるように整えてあげましょう。
ポイントは必要な物をできるだけ1か所にまとめる事です。
子ども部屋がなかったとしても、リビングの一角に「お仕度コーナー」を作るなど工夫をしてください。
この際に、1か所にまとめたとしても、ギュウギュウ詰めで出し入れしにくい状態だったり、どこに何があるか分からない収納だったりすると、意味がありません。必要な量に収まっているか、確認してあげてください。

2. 子どもの性格に合わせた収納作り
小学生頃からは、きっちり収納するのが好きな子と、ざっくり収納が向いている子に分かれてきます。
幼児期の大きめのおもちゃはざっくりとしている方が収納しやすいのですが、小学生になると細かい物(カードゲーム、ビーズ、シール、文具など)が増えてきます。
細かくきっちり収納できるタイプか、ざっくりした収納が向いているのかを子どもと話し合いながら、本人に合った収納を見つけていきましょう。
ボックスや引き出しの中がグチャグチャだったとしても、定位置に戻せていて、物の管理ができているならOKとして、あまり細かい事を言わずに見守る事も大切です。

場所が決まっている方が片付けやすければ仕切りケースを用意してあげましょう。
決まった引き出しにしまうだけでもOK。出しっぱなしにしない習慣が大切です。

今回は、子どもの成長に合わせたお片付けのポイントをご紹介しました。
大人が手を出しすぎるのも良くないですが、ある程度のルールや仕組みを大人が作って、習慣化していく必要があると思います。収納ルールも作らず、おもちゃを大量に増やしているなら、子どもが片付けられないのは大人にも責任があります。
本文中でも書きましたが、子どもの片付けは歯みがきと同じように、嫌がってもしっかりと習慣付けていく必要があると思っています。
習慣になれば、苦痛にならずできるようになりますよ。

鈴木久美子
片付け・収納専門家
鈴木久美子
【資格】
  • ・整理収納アドバイザー1級
  • ・住宅収納スペシャリスト
  • ・クリンネスト1級
  • ・整理収納アドバイザー2級認定講師

個人宅の片付けや収納改善を2,000時間以上行い、オンラインでの片付けや収納のアドバイスも全国から依頼を受ける。
セミナーや記事執筆の他、ZIP(日テレ)、ラヴィット!(TBS)、ノンストップ(フジテレビ)などメディアにも多数出演。
https://www.classylife-home.com/