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「耐震等級」って何?地震に強い家づくりの必要性

2023.3.10

住宅を購入するときは、住み心地の良さも大切ですが、もしものときの安心も重要です。快適さを決めるのが前回ご紹介した「気密・断熱」だとすれば、安全性や安心を左右するのは「耐震」です。

今回は地震大国である日本での家づくりに欠かせない、地震への強さを表す耐震等級についてお話します。
等級による違いや、得られる安心だけでなくお金のメリットも紹介するので、ぜひ家づくりの参考にしてください。

耐震等級って何?耐震基準との違いとは

家づくりでよく聞く「耐震等級」とは、地震の揺れに対する建物の強さを表す指標です。

「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき、すべての人が建物の品質を分かりやすく比較検討できるようにする「住宅性能表示制度」が2000年からスタートしました。
耐震等級はこの制度により、建物の耐震性を3つのレベルで評価したものです。数字が大きいほど地震に強い建物であることを示します。

日本には元々建築基準法で定められた耐震基準がありますが、あくまでも「地震の際にできる限り人命が損なわれないようにする最低限の基準」です。対する耐震等級は「人命と建物そのものを守ることを想定した、よりハイレベルな基準」であり、度重なる災害で住宅の安全性への関心が高まった結果といえます。

耐震等級1・2・3の違い

いざ家づくりをするとなると「どのくらいの耐震等級があればいいの?」という疑問が出てきます。
ここではそれぞれどの程度の強さを表しているのか解説します。

【耐震等級1】震度7程度の揺れ1回では、建物の倒壊を防げる

耐震等級1は、震度6強~7程度の大規模地震が発生したとき、建物が倒壊・崩壊しないことが基準となっています。

これは建築基準法で定めるものと同等です。つまり地震発生時に生命の危険が無いようにするもので、ほとんどの場合に建物は大きなダメージを受けます。

倒壊を防ぐのは1回目の揺れまでで、同等の揺れが2回発生したときには建物が倒壊する可能性があります。
実際に国土交通省が調査した熊本地震の住宅被害率では、耐震等級1の建物の2.3%が倒壊しています。
(平成28年9月30日、国土交通省住宅局「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書より)

【耐震等級2】建物へのダメージも抑えられる頑丈さ

耐震等級2は、等級1の1.25倍の強度があり、建物自体へのダメージも抑えられます。震度7程度の揺れのあとも、補修すれば同じ家にそのまま住み続けることができます。

知っておきたいのは、、耐震等級2以上で「長期優良住宅」の評価が受けられることです。現在は、長く住み続けることができる家づくりを奨励する傾向にあり、長期優良住宅は住宅ローンの控除や各種税金の優遇が受けられます。

安全性の高い家を購入できて、さらに経済的にもメリットが得られることから、耐震等級2以上の住宅には注目が集まっています。

【耐震等級3】耐震等級1の1.5倍の強さ!

耐震等級3は、耐震等級1の1.5倍の強度があり、災害のときに救助活動の拠点となる警察署や消防署は、耐震等級3が求められています。

国土交通省の調査によると、震度7程度の揺れが連続して起きた熊本地震でも、耐震等級3の建物の倒壊はゼロ、87%以上が無被害だったという結果が出ています。
(平成28年9月30日、国土交通省住宅局「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書)

大規模な地震が発生した後も、大きな修繕作業は必要なく、同じ家に問題なく住み続けることができるということです。

耐震等級3相当とは

住宅業界には「耐震等級3相当」という表現があります。これは「耐震等級3の建物と同じくらいの強度があるけれど、第三者による公的な評価は受けていない」ということを意味します。

耐震等級3の評価を取得するには、検査や申請などの手続きが必要です。さらに検査には手数料もかかります。評価を取得している方がより安心ですが、お金や手間がかかるのでしっかり検討しましょう。

ただし、評価を取得するとお得なこともあります。
後ほど詳しく解説しますが、耐震等級の評価書によって、保険料が安くなったり、税の優遇が受けられたりといったメリットがあるのです。これらの制度を利用すれば結果的に得をするケースもあります。自分自身に照らし合わせて、どちらがよりメリットが大きいか考えることが大切です。

耐震等級で得られるお金のメリット

耐震等級の評価を取得すると、制度上で3つの優遇が受けられます。

・地震保険料の割引
・住宅ローンが低金利に
・固定資産税や不動産取得税など各種税金の優遇


住宅ローンや税金の優遇は耐震等級2以上の長期優良住宅が対象ですが、地震保険料は等級によって割引率が変わり、耐震等級1でも割引が受けられます。

家づくりにかかるお金は土地代や工事費だけではありません。
これらの制度は家づくりが具体化するまで意識しないかもしれませんが、耐震等級の評価を受けるとお得になることは知っておきましょう。

また耐震等級の評価を取得しておけば、住宅の資産価値も向上します。安全な住宅への関心は高まっているので、より有利な条件で売却したり賃貸契約を結んだりできる可能性が高くなります。

必要な耐震等級は人それぞれ!総合的に考えて後悔しない家づくりを

ここまで耐震等級について紹介してきましたが、家づくりで重視するポイントは人によって違います。耐震性を上げるために壁を増やせば、開放的な間取りや日の光がたっぷり降り注ぐ窓を諦めなくてはいけないケースも。

耐震等級にこだわらなくても、構造自体が頑丈な住宅や、制震・免震のオプションがついた住宅もあります。
ハウスメーカーによって様々な取り組みがあるので、住宅の安全性のことが気になったら一度担当者に相談してみましょう!

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