暮らしのヒント

壁を楽しもう

2024.5.10

目にも鮮やかな新緑の美しい季節になりましたね。
みなさんも新しい環境での生活に慣れ始めた頃ではないでしょうか。

リフレッシュを兼ねて、壁を楽しみながらお部屋のイメージを新しくして、気分を変えてみませんか。
今回は4つのStepを通して、壁を変える楽しさをお伝えして行きたいと思います。

早速ですがみなさんに1つお試し頂きたいことがあります。
今いるお部屋の中をぐるっと見渡してみて下さい。何が1番多く見えたでしょうか。
ソファ?カーテン?
正解は壁です。部屋は4面を壁で構成しているため、視界に入る面積が1番大きくインテリアのイメージや心理的にも大きな影響をもたらします。

一般的に壁に用いられている色は「白」になります。シンプルで普遍的なのですが、この機会に色や素材を変えて壁を楽しんでみませんか。
デザイン性や機能性など、生活スタイルに合わせて選ぶヒントをご紹介致します。

Step-1 主役になる壁を決めましょう

壁を変えてみたいと考えた時に、まずどの壁を変えるかを検討してみましょう。

壁全面を変える場合は、お部屋の雰囲気がガラリと変わるのを想像しやすいと思いますが、部屋全体を変える作業はかなり大掛かりとなってしまう可能性もあります。

壁の一面を変えるだけでも、視線を一点の壁面に集めることができるので、大きな変化を感じられる効果があります。まずは部屋の主役になる壁を決めてみましょう。

Step-2 欲しいイメージを考えましょう

主役になる壁を決めたら、次はどんな効果が得られるのかとともに、イメージを考えてみましょう。
大きく分けると4つのポイントがあります。

①色を変える
例)色を明るくして活気のある部屋にする、暗くして落ち着いた部屋にしたい

②デザインを変える
例)シンプルな無地から模様があるタイプにして大胆にインテリアイメージを変えたい

③素材を変える
例)壁紙から石やタイルに素材を変更して、室内に重厚感が欲しい

④生活の悩みを軽減する
例)結露の悩みがある場合には調湿性、ペットがいる場合には吸臭性の機能があるタイルを選定して、生活を快適にしたい(LIXILのエコカラットなどが代表的)

【色を選ぶ注意ポイント】
「色の面積効果」によって同じ色でも面積によって色が異なって見えてしまう現象が引き起こされます。
色は大きな面積で見ると明るい色はより明るく、暗い色はより暗く見えてしまう現象です。色を選ぶ際は、出来るだけ大きな面積で見てから決めるようにしましょう。できればショールームで大きな面積で現物を見てから決めることをお勧めします。
色選びは楽しい工程ですが、施工後にイメージと違ったと後悔することがないようにしましょう。

Step-3 素材を知りましょう

素材は大きく分類すると下記の3つに分けられます。

①壁紙系(壁紙、塩ビクロス、織物調など)
色柄も豊富で、1番取り入れやすい素材ですですが、マンションなどの集合住宅の場合、規約で不燃性のある壁紙を選ばなければならないこともありますので選定する際にはご注意下さい。

②マテリアル系(タイル、石、木など)
素材感が感じられるためインテリアに高級感を演出できます。
素材自体に重量があるため、施工する際には確認が必要となる場合がありますのでご注意ください。また素材に木製を選定するには、不燃加工があるものを選定するようにして下さい。

③塗り壁系(塗装、漆喰)
壁紙にはない自分好みの複雑な色味を作ることが出来ます。
最近ではDIYが盛んですので、自分で塗る人も多くいらっしゃいます。練習を兼ねて塗装メーカーの主催するワークショップなどに参加してみるのも楽しい経験になると思います。

Step-4 その他の楽しみ方

・黒板塗装(クロス)
小さいお子様がいらっしゃるご家庭ですと、壁に落書きをされてしまうお悩みをお持ちの方がいらっしゃると思います。その場合は、限定した壁面に黒板塗装や黒板クロスなどを採用し、お子様に自由に落書きを楽しんでもらう方法もあります。

・ウォールステッカー
壁紙の上からステッカーシールを貼ってイメージを変える方法です。ネットショップ等で簡単に入手でき取り付けも簡単ですので、気軽にトライしてみて下さい。

・フェイクグリーン
フェイクグリーンをアートのように壁面に飾るだけで、ナチュラルな雰囲気を演出できるだけでなく、安心感や緊張を和らげる心理効果があります。

・吸音パネル
音響やweb会議などの音の反響を改善したい方は、意匠性のある吸音パネルを壁面に飾り、インテリアイメージを変えながら機能性も充実させることが可能です。

・造作家具
壁にコンパクトな棚を取り付けてディスプレイコーナーを作ると、インテリアのグレードがアップします。洋書などを飾っても素敵ですよ。

壁を楽しむ方法はたくさんあります。みなさんのスタイルに合ったものをチョイスして、お部屋の雰囲気をリフレッシュしてみませんか?

山下智恵子
インテリアデザイナー
山下智恵子
【資格】
  • ・インテリアデザイナー
  • ・二級建築士

輸入家具会社や大手組織設計事務所、モデルルーム会社、百貨店内装会社を経て2013年に独立。
住宅、オフィス、店舗、などのインテリアデザインの他にインテリアセミナーの講師も行う。
https://www.estedit.com/