季節を感じるコーディネート[秋・冬編]

みなさん、本格的な秋を感じられる日が増えてきましたね。
今年の夏も酷暑が続き、涼しく快適な秋が待ち遠しかったのではないでしょうか。

やっと訪れた快適な秋、そしてこれから訪れる冬をご自宅で楽しめるようなインテリアのヒントを、今回は少し趣向を変えて「インテリアと人間の感覚に関する視点」からお話していきます。

まず、みなさんに質問です。
人間は体のどの感覚機能を通してインテリアを感じていると思いますか？

人体はさまざまな感覚を通して空間を感じ取っていますが、その中でも「視覚」「触覚」「嗅覚」から得られる情報がインテリア環境に大きな影響を与えるとされています。
感覚ごとの特性を踏まえてご説明していきますね。

■視覚　

人間の感覚機能の中でインテリアに対して1番影響が大きい感覚は「視覚」です。
そのため、まずは目に入りやすい場所から秋冬らしさを感じる素材のものに変えてみるのがおすすめです。

代表的なテクスチャーとして、モコモコした毛足の長いものや、温かみが感じられるウールやニット調のもの、ゴージャスな雰囲気を醸し出すベロア素材などがあります。
それらをお部屋のアクセントに取り入れてみるのはいかがでしょう。

またテクスチャーと合わせて色選びも需要なポイントになります。
枯れた樹木をイメージさせるくすんだグリーンやブラウン、紅葉をイメージさせるワインレッドやオレンジなどのカラーをアクセントに取り入れると、簡単に秋冬らしい雰囲気を醸し出すことができますよ。

カーテンやラグなどの面積が大きい所を変えると、変化を感じられる効果がより大きいのですが、簡単に変えるのが難しい場合もありますので、まずはクッションカバーや小物などから取り入れてみてはいかがですか。

また少ない小物で高い効果を出すテクニックとして、アクセントとなる色を複数の場所に同時に取り入れる方法があります。
例えばリビングのクッションをベルベット調のワイン色のものに変えた場合、連続した空間のダイニングテーブルにも同じワイン色の小物を加えると色による相乗効果が生まれ、お部屋全体の雰囲気が変わったように見せることができます。

ダイニングの小物としてはテーブルクロスや、ナプキン、花瓶などが一般的ですが、花を使う方法もあります。
生花はもちろんですが、最近ではインテリアショップなどでもかなり精巧な造花（近年ではアーティフィシャルフラワーという名称で呼ばれております）を入手できるようになりました。
大ぶりなものであれば1〜2本花瓶やコップに挿すだけでも雰囲気が十分に出せるため、難しいアレンジなども不要で簡単に取り入れられておすすめです。

■触覚

人間は体に触れた感覚だけでさまざまな情報を得ることができます。
例えば目を瞑って裸足で歩くだけで、畳とカーペットの質感の違いを足裏から感じ取ったり、手で触れるだけで石や木などの素材の違いや温度差を知覚することができたりと非常に優れた感覚を持っています。

その特性を活かし、インテリアにも秋冬らしいテクスチャーものを取り入れて「触覚」を通して季節を感じてみましょう。

この夏に涼感のある素材のものを取り入れた方は、秋を迎えたタイミングで温もりのある素材に変えてみませんか。
前の章でもお伝えした「視覚」との相乗効果で、より皮膚感覚で季節を感じることができますよ。

さらに柔らかい素材に触れていると心理的なリラックス効果も得られますので、ぜひ触り心地の良いもの選んでお部屋に取り入れてみて下さい。

■嗅覚

肌寒くなる季節に外を歩いていて、漂ってくるキンモクセイの香りに秋の訪れを感じた経験があるのではないでしょうか。
パリでは、焼き栗スタンドの香りで冬の訪れを感じる人が多いといいます。
「嗅覚」によって季節の変化を感じることは人類共通の感覚なのですね。
人間の嗅覚は記憶に直結しているため、無意識に季節を連想しやすいのかも知れません。

最近ではキャンドルやルームフレグランスをご使用しているご家庭も多いと思いますので、ぜひ季節に合わせて香りを変えてみてはいかがですか。
春夏に比べて少し重厚感のあるウッディな香りなどはこの季節によく合います。
加湿器と合わせて使用するタイプなどもあり、より気軽に香りを楽しむことができますので、ご自身の生活スタイルに合わせて季節を感じる香りを取り入れてみましょう。

これからの季節はハロウィーン、クリスマスなど楽しいイベントがたくさんありますね。
小物をスパイスとしてインテリアに上手く活用して、季節を感じるコーディネートをお部屋で楽しんでみませんか。

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