暮らしのヒント

プロが提案するインテリアの工夫[カーテン・ブラインド編]

2024.9.20

みなさんはカーテンやブラインドに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
どのご家庭にもありますので、何となく窓に掛けるものというご認識ではないでしょうか。

インテリアのプロとして「カーテン・ブラインド」は大変に奥が深い世界だと思います。
たくさんある魅力の一部分ではありますが、みなさんのお役に立つ情報をご紹介していきます。

カーテン・ブラインドが持つ3つの機能 「飾る、防ぐ、守る」

カーテンやブラインドには3つの大きな機能があります。
それらの特徴を順にご説明します。

●その1 「飾る」
カーテンやブラインドはインテリアデコレーションの要となるものです。
たくさんの種類がありますので、選ぶ際のポイントをステップ毎にお伝えしていきます。

◼️Step-1 スタイルと特徴を知りましょう
カーテンやブラインドの開け方には縦に開くもの(カーテン、縦型ブラインド)と横に開くもの(シェード、横型ブラインド、ロールスクリーン)があります。
それぞれの特徴を簡単にまとめましたので、まずはお好みのイメージを探してみて下さい。

【カーテン】
・取り扱いがしやすい最も一般的なスタイル
・片手でも操作がしやすいので、出入りのある窓に適している
【縦型ブラインド(バーチカルブラインド)】
・縦のラインが強調され部屋をすっきりと見せる効果がある
・羽根を動かすことで光の量を調整できる
【シェード】
・窓の枠内に収められスッキリかつスタイリッシュな雰囲気を作れる
・小さな窓に適している
・カーテン生地と合わせてコーディネートできる
【ロールスクリーン】
・フラットな表面のため見た目がスッキリとしている
・隙間ができてしまうので、遮光性などの性能が少し劣る
・上げ下げが簡単なので、日差しの調整がしやすい
【横型ブラインド】
・羽根を動かすことで光の入る量を調整できる
・布や木やアルミなどいろいろな素材が選べる
・木製ブラインドは重量があるので設置の際に確認が必要
【プリーツスクリーン】
・扇子のようにじゃばら状に加工された生地で作られている
・障子のように入る光が柔らかく、断熱性にも優れている

◼️Step-2 イメージを考えてみましょう
次にカーテン・ブラインドを変えることで、お部屋をどんな風に見せたいのかイメージしてみましょう。
具体的な例を2つご紹介します。

-Case-1 部屋を広く見せたい-
壁と調和する色を選びましょう。同系色にすることで、部屋を見渡した時に視線が途切れないないため、部屋全体を広く見せる効果があります。

-Case-2 部屋のイメージを変えたい-
柄や色を効果的に取り入れてみましょう。アクセントとなる柄や色を取り入れると、お部屋の雰囲気が一気に変わるのでおすすめです。

◼️Step-3 実物を見に行ってみましょう
イメージの方向性が決まったら、カーテン・ブラインドの生地を選んで行きましょう。
できればショールームやショップなどで、大きいサンプルを見ながら決めることをおすすめします。

最近ではネット上で素敵なインテリア写真を簡単に見つけられますので、ショールームに行く前に自分好みのイメージ画像をストックしておくと良いと思います。
好みのスタイルが分かると、生地選びで迷うことが少なくなりますよ。

◼️Step-4 長さによる違いを知りましょう
生地が決まったら窓やレールサイズに合わせてサイズを決めていきましょう。
特にカーテンは長さによってイメージが大きく変わります。

腰窓タイプのカーテンの場合、窓枠から10〜15cm下げた位置で仕上げるのが一般的ですが、あえて床まで長くすることでスタイリッシュな印象にすることができます。

掃出し窓(床面まである窓)の場合は、通常は床上1cm程度で仕上げるのですが、あえて裾を長めにすることで、生地にたっぷりとしたゆとりが生まれてゴージャスな雰囲気になります。
光漏れや外気を防ぐ効果もありますので、気になる方はお試し下さい。(お掃除ロボットをご使用の方は、長いカーテンの裾が掃除の障害になってしまうケースがありますのでご注意下さい)

また天井を高く見せたい場合はレールの位置を高くすることで、カーテンの長さを強調して部屋を高く見せる方法もあります。

●その2 「防ぐ」・「守る」
窓にカーテンやブラインドが掛かるだけでも、日遮や防犯の効果がありますが、最近では生地自体に様々な機能が付加されたものもありますので、一部をご紹介していきます。

・防ぐ機能 (遮熱、紫外線防止など)
今年の夏も大変な酷暑でしたね。
少しでも室内が快適に過ごせるように、カーテン・ブラインドを変える際には遮熱機能や紫外線防止効果のある商品を選んでみてはいかがでしょう。
冷暖房の効果が上がるだけでなく、紫外線の流入を防ぐことで家具や床の色焼けを防ぐ効果もあります。

・プライバシーを守る
カーテンは柄や色が外から見えてしまう場合があります。子ども部屋や女性の部屋だと悟られないよう、防犯上の理由でベージュやブラウンの無地柄のものを選ぶ方もいらっしゃいます。

少し費用が発生してしまいますが、ベージュ系の裏地を付けることで安全面にも配慮しながら、自由に色や柄を選ぶことができるのでおすすめです。
レースカーテンには遮像性能のあるものを選ぶと、外から室内が見えるのを防ぐことができます。

カーテンやブラインドを選ぶ際には、デザインだけではなく機能や見せ方も意識して選ぶようにしましょう。窓周りは目に入る面積が多いのでインテリアのイメージを変えやすい場所でもあります。

ぜひ楽しみながら選んでみて下さい。

山下智恵子
インテリアデザイナー
山下智恵子
【資格】
  • ・インテリアデザイナー
  • ・二級建築士

輸入家具会社や大手組織設計事務所、モデルルーム会社、百貨店内装会社を経て2013年に独立。
住宅、オフィス、店舗、などのインテリアデザインの他にインテリアセミナーの講師も行う。
https://www.estedit.com/