こんにちは。片付け・収納の専門家、鈴木久美子です。
私は普段、皆さんのご自宅にご訪問し、暮らしをより良くするための整理収納についてアドバイスをしています。
その方の考え方や性格によって、同じものでも収納するか、出したままにしておくかはさまざまです。
基本的には皆さんの考え方に合わせてアドバイスをさせていただいていますが、もしスッキリとしたキレイな暮らしにしたい、と思うのであれば、これは隠した方がいい、というものもありますし、もし出しておきたい場合でもキレイに見せるためのポイントがあります。
今回は、『見せる収納と隠す収納』についてお話していきたいと思います。
見せる収納はレベルが高い
「私はおおざっぱだから、見せる収納にしたい」とおっしゃる方もいますが、実は見せる収納はなかなか難易度が高いのです。
見せるためには、1つ1つのアイテムをこだわって選ぶ必要がありますし、出しっぱなしだと掃除の手間もかかります。
また、定位置をしっかり決めずに出したままにしていると、どこにあるのか分からなくなることも多いので、しっかりと定位置を決めてサッとしまう方が簡単にスッキリします。
見せる収納とは、ただの出しっぱなしとは違い、しっかりと定位置を決めて使いやすく見せる状態にする、ということです。
隠すべきものとは?
何を出しておくか、何をしまうかは考え方によってさまざまかと思いますが、スッキリした暮らしやインテリア性を重視したい場合には、日常の生活感が出てしまうものは、ほぼ全てしまう方がおすすめです。
一般的には出しっぱなしになっていることが多いものでも、私の家では必ずしまうようにしているものがいくつかあるのでご紹介します。
◆プリントやお便り
冷蔵庫にペタペタと貼ってしまいがちなプリント類や、なぜか部屋の数か所にあるカレンダー。
キッチンカウンター上には、溜まっている郵便物やはがき等がいつも出しっぱなしになっていませんか?
もちろん「すぐに目につく方が分かりやすい」という意見もあるとは思いますが、一日中常に見ている訳でもないはずですので、見たい時に見られるようにすれば良いかもしれません。
いきなり見えないところに収納するのは抵抗がある、という方は、まずは本当に重要なものだけに減らしてみるのもおすすめです。
カレンダーも「何となくもらったから貼っているだけ」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。よくよく聞いてみるとスケジュールはスマホ管理していたり…。
我が家の場合は、リビングの入り口に家族全員が毎日開ける棚があり、その扉裏に大事なプリントを貼るようにしています。
家族全員が把握していれば、見えない場所に貼っていても何も不便はありません。
◆ペンやハサミ
ペンやハサミ等が、大量にペン立てやお菓子の缶に立てられているご家庭も多いです。それも1本や2本ではなく、ギュウギュウに入っていることも。
確かにパッと使いたいものではありますが、そんなにたくさん出しておく必要はあるでしょうか?
我が家では、小さなサイドテーブルの引き出し内に、パッと出したいものを入れています。
「見えるところに出ていないと不安」という方は、まずは出すものを厳選して本数を減らしてみませんか?
多分そんなにたくさん要らないはずです。(捨てなくても一旦しまうだけで大丈夫です)
◆リモコン類
リモコンはしまっていない、というご家庭は多いと思いますが、本当にそのリモコン全てを使っているか見直しをしてみましょう。
エアコンを使う時期じゃなくてもリモコンは出したままにしていたり、TVは1つのリモコンでしか操作しないのに、使わないリモコンを2つも3つも出していたりしていませんか?
我が家では必ずリモコンも収納しており、TVのリモコンはTVボード内にサッとしまっています。
◆コード・配線
TVの配線、Wi-Fiやスマホの充電コードなど、あちこちにコードが出ている場合は、可能な限り徹底的に隠して配線をしてみましょう。
どうしても見えてしまう場所は配線カバーを付けるか、手前にインテリア雑貨などを置いて隠すだけでもスッキリとして見えます。
見せる収納にしているもの
上記でご紹介したように、我が家ではほとんどのものを収納するようにしています。
ただ、これは出したままで見せる収納にしている、というものがいくつかあります。
見せる収納(出したまま)にするものは、第一条件としてインテリアになじむものを選ぶことが非常に大切です。
もののデザインにこだわって選ぶのは当たり前のことのようですが、お客様宅でお話ししていると、置いているものが風景化してしまい、それがノイズになっていることに案外気が付かないケースも多いです。
ここでは、私の自宅で見せる収納にしているものをご紹介します。
◆ティッシュ
ティッシュを収納しているという人は少ないかと思います。
私もティッシュは出しているので、ケースはダイニングテーブルの素材や色に似たものをこだわって選んでいます。
また大きいサイズは邪魔になるので、ハーフサイズのコンパクトなティッシュケースを使用しています。
小さなお子様がいらっしゃるご家庭ですと、出しっぱなしのことも多いと思います。その際はインテリアになじむケースを選んでみてください。
◆ハンドソープ
洗面台の上のものもスッキリ全てをしまいたいところですが、帰ってきてすぐに手を洗えるようにハンドソープは洗面台に出しています。
洗面所の雰囲気になじむようなデザインのものを選んでいます。ハンドソープの容器は今まで何度も入れ替わっていますが、コロナの頃から電動ハンドソープがたくさん登場しているので、我が家でも電動タイプがお気に入りです。
◆オイル、塩、コショウ
キッチンでは、キッチンツールや調味料、フライパン等も見せる収納にされている方もいらっしゃると思います。
私はスッキリしまいたいタイプなので、ほとんど全てのものをしまっていますが、オイル、塩、コショウのみをキッチンカウンター上に出しています。
調理にサッと使いたいのと、たまに食卓にも出すこともあるので、容器を入れ変えて見せる収納にしています。
直置きするとお掃除がしにくくなるので、壁に小さな棚を付けて収納しています。
今回は『見せる収納と隠す収納』というテーマでお話ししました。
今まで何となく出しているのが当たり前に感じてしまっているものでも、もしキレイな暮らしにしたい!と思ったら、一度思い込みを捨て、収納してみてはいかがでしょうか?
しっかりと出し入れしやすい場所に定位置を決めると、案外不便なことはないと思います。
また、「見せて収納する」と決めたものはしっかりと納得できるデザインのものを選び、お手入れや管理ができる量にすることが大切です。
- ・整理収納アドバイザー1級
- ・住宅収納スペシャリスト
- ・クリンネスト1級
- ・整理収納アドバイザー2級認定講師
個人宅の片付けや収納改善を2,000時間以上行い、オンラインでの片付けや収納のアドバイスも全国から依頼を受ける。
セミナーや記事執筆の他、ZIP(日テレ)、ラヴィット!(TBS)、ノンストップ(フジテレビ)などメディアにも多数出演。
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