暮らしのヒント

お片づけの威力。実例ビフォー&アフター

2023.11.20

片付け・収納の専門家、鈴木久美子です。
私は普段、ご自宅に実際にご訪問し、暮らしの中の悩みや問題を見つけ、整理収納を改善していく仕事をしています。
ただ単にその場を片付けるのではなく、暮らし全体を拝見し、何がお困りなのか、何が原因なのかを考え、暮らしを改善していきます。

「スッキリ片付いた!」という先にどんな暮らしが待っているのか、何が変わるのかは、実感した方にしか分かりませんが、今回は私がサポートさせていただいたご家庭の実例をご紹介し、スッキリした暮らしがもたらす効果についてお伝えしたいと思います。
ご覧いただくと、片付けのモチベーションが上がると思います。

実例1 : 入るのも嫌だった物置状態の部屋

1つめは、とても多い例をご紹介します。
お子様が小さいうちは1人部屋が必要ないのでお部屋が余っている、というご家庭が多いのですが、「リビングは片付けなきゃ!」と、余っているお部屋になんでも置く習慣がつき、気が付いた時にはもう自分ではどうしようもない状態になってしまっているケースです。

こちらのAさんも、まさにそんな感じでした。

今使っていないから、ととりあえず適当にしていたら、足を踏み入れるのもためらう状態のお部屋になっていました。
なぜか部屋の真ん中に置かれた背の高い棚、捨てるのが面倒だからと置きっぱなしの段ボールなど、全てが無造作に置かれていました。

こちらのお部屋のクローゼットはママが使っているとの事でしたので、子ども部屋にするまでは、ママがゆったり着替えられるようなお部屋にし、いずれ娘さんのお部屋にする時もスムーズに模様替えできるようにイメージをしながら改善していきました。

毎日の着替えや準備もスムーズになっただけではなく、いつも閉めきっていたカーテンを開け、日差しが差し込むようになると、とても気持ちよく明るい気分になります。

お片付けは、精神的にも非常に良い効果があります。
部屋の真ん中にあった棚はクローゼット側に配置し、ママの雑貨やバッグ、書類などをスッキリまとめました。

今は使っていないお部屋といえども、大切なご自宅のスペースです。
また、そこに置いているモノ1つ1つとも、暮らしを共に過ごしているのです。

実例2 : 何が入っているか全く分からなかった納戸

次もよくある例です。
ご自宅に納戸があるという人は多いかと思いますが、この納戸がなかなかの曲者です。
最初から棚がついている場合もありますが、棚板もなく空洞の状態の事が多いのです。納戸は、使う人によっては収納したいモノも全く異なってきますし、大きなモノを収納したい方もいらっしゃいますので、収納したいモノに合わせて収納計画を立てていく必要があります。

どのように使うかをよく考えずに「とりあえず」で詰め込んでいくと、どこに何が入っているかが全く分からない、ブラックホールのような空間になってしまいがちです。
2度買いどころか無駄買いだらけになって、どんどんモノが増えてしまいます。

スペースとモノに合わせて収納計画を立てる事で、どこに何があるかすぐに分かるようになるため、モノを探す時間や無駄な買い物が減ります。
結果、時間的にも経済的にも非常にメリットが生まれました。
これは納戸だけに限らず、ご自宅内のどのスペースでも同じことが言えます。

実例3: ダイニングテーブルが置けなかったリビングダイニング

最後の実例をご紹介します。
広さも十分にあるリビングダイニングのはずなのですが、空いているスペースが狭く、ダイニングテーブルを置くことを半ば諦めていらっしゃったご家庭です。
まずは他の場所から整理収納を始めていき、最終的にはリビングダイニングを改善していきました。

ご妊娠中でいらっしゃり、もうすぐ赤ちゃんがお生まれになるとの事。

赤ちゃんがつかまり立ちを始めると、ローテーブルにはすぐに手が届いてしまうので、熱い物や食べ物を置く時に目が離せなくなります。
ダイニングテーブルの高さだと、赤ちゃんは届きませんので食事の用意やお茶をするときなども少しは安心ですが、スペース的に無理かもしれないと諦めていらっしゃいました。

しかし、ご自宅を全体的に改善していく中で、徐々に「ダイニングテーブルを置けるかもしれない」と思い、旦那様にご相談されたところOKが出て、念願のダイニングテーブルがやってきました!
さらに、絶対に置くのは無理だと思っていたソファーまで一緒に購入されたのです。

まるでモデルルームのような美しくスッキリしたお部屋に変身しました!
この美しさは、私の力ではなく、ご自身が暮らしを整えたい、楽しみたいという気持ちで細かいところまで改善されたからだと思います。

写真で見るだけでも劇的に変わりましたが、変わったのは見た目だけではありません。
その住まいで過ごす人の気持ちが変わり、暮らしが楽しくなるのです。

今回は3つの実例をご紹介し、お片付けすることで得られる効果についてお伝えしました。
整理収納から得られる効果はとても大きいのです。『時間』、『お金』、『気持ち』この3つに必ずメリットを感じるはずです。

他にも、ダイニングテーブルが常に山盛りでお茶を飲むスペースもなかった方が、紅茶をゆったりと楽しめるようになったり、外から見られるのが気になる、と常に閉め切っていたカーテンを開け、光が差し込んでくる明るい部屋になったりと、うれしい瞬間がたくさんあります。

ぜひ皆さんも、気になっている場所の整理収納に取り組んでみて欲しいと思います。

鈴木久美子
片付け・収納専門家
鈴木久美子
【資格】
  • ・整理収納アドバイザー1級
  • ・住宅収納スペシャリスト
  • ・クリンネスト1級
  • ・整理収納アドバイザー2級認定講師

個人宅の片付けや収納改善を2,000時間以上行い、オンラインでの片付けや収納のアドバイスも全国から依頼を受ける。
セミナーや記事執筆の他、ZIP(日テレ)、ラヴィット!(TBS)、ノンストップ(フジテレビ)などメディアにも多数出演。
https://www.classylife-home.com/