住まいを整える意味、物との関わり方

整理収納アドバイザー鈴木久美子です。

このたび、暮らしを整えるためのコラムを執筆させていただくことになりました。
私は、整理収納アドバイザーとして、みなさんのご自宅にご訪問し、片付けや収納改善の仕事をしており、現在まで2,000時間以上サポートをしてきました。

たくさんのご家庭で、暮らしについてのお悩みを解決していく中で、皆さんが共通して悩まれていることや、住まいを整えていくために大切なことが見えてきました。
こちらのコラムでは、整理収納のポイントや暮らしを整えていくために必要なことをご紹介していきたいと思っています。

住まいを整える意味

ご家族の構成や住まいの形状、考え方やライフスタイルなど、さまざまな違いがありますが、共通していることは、住まいという箱の中に、人と物が共存しているという事です。

また、みなさん、散らかっているよりも、片付いている方が良い、とお考えかと思いますが、では、どうして片付いている方が良いのでしょうか？
子どもには、「片付けなさい！」と言っているけれど、何のために片づけるのか、きちんと説明ができるでしょうか。

スッキリした暮らしに憧れがあっても、なかなかできていない方が多いのも事実です。

「住まいは何のために整えるのか」

一度しっかりと考えてみましょう。

住まいを整えることから生まれる効果

住まいを整えると、大きく3つの効果があるといわれています。

まず、１つに時間の効果です。
暮らしが整うと、探し物が減ったり、家事が効率よく行えたり、何かの動作をするときもとてもスムーズです。
『朝の支度が楽になった。』『掃除がしやすくなった。』など、この時間の効果は、住まいを整えるとすぐに実感していただけると思います。

２つめはお金の効果です。
暮らしが整っていないと、２度買いどころか、常に無駄買いだらけになっています。
自分にとって必要な物や量が見えていないと、物を買い続けてしまいます。
また、物が多すぎることにより、１部屋多めの家に住まないといけなかったり、収納庫が必要であったり、トランクルームを借りたりすることもあるかもしれません。

３つめは気持ちの効果です。
この効果は、住まいを整えてから、最終的に感じることができます。
整った家にいると、気分が良い、楽しい、くつろげる。
このような気持ちを、毎日、大切な家族と過ごす自宅で感じることができれば、これほど幸せなことはないと思います。

逆に、家が整っていないと、この反対の状況になり、
イライラしたり、家にいることが嫌になったり、家族でケンカが増えたりしがちです。

物との関わり方

整った暮らしのためには、収納スペースや、収納グッズなどが必要かと思われますが、実はもっと大切なのは、物との関わり方です。

みなさんは、物との関わり方について考えたことがあるでしょうか。

購入するときに、便利そう！と思った物を、今は邪魔者扱いしていませんか。

物を家にため込んで、捨てないことが、物を大事にしていることではないのです。

物をしっかりと使い、その物を好きだと思う気持ち、気に入っていると思う気持ちが、暮らしの中で大切だと思います。

逆に、邪魔だな、気に入っていないな…、というマイナスの感情を抱いてしまう物は、住まいから出て行ってもらう方がいいと私は考えます。
限られたスペースの中での暮らしなので、できるだけ気に入った物たちと過ごす方がいいですよね。

捨てるだけでなく、できる限り使ってもらえる方法を考えながら手放してみましょう。

最初にもお話しましたが、住まいの中には「人」と「物」しかいません。

家族と幸せに過ごすはずの住まいに、大量の物に占領されて暮らしを楽しめないようでは本末転倒です。ご訪問している皆さんのご自宅では、物置部屋はあるのに、子供部屋を作れない、という方も多いのです。

もちろん、物は大切にする必要があります。
なんでも簡単に捨てればいいと言っているわけではありません。
本当に大切にしないといけないのは、物ではなく家族の暮らしと気持ちです。


住まいという字は、にんべん（人）に主（あるじ）と書きます。

物を保管するのが中心になってしまっては、住まいではなく物置です。

人が主であり、家族が主役である住まいにしてほしいな、と願っています。

住まいの中で、人と物がバランスよく付き合っていけるようにできれば、自然と暮らしは整って、家族が主役の暮らしになってくるはずです。


次回は引越しをテーマに「荷物の整理」についてご紹介します。