新しい一年のはじまりは、暮らし方を見直す良いきっかけになります。「今年は自宅をもっと心地よい空間にしたい」「家で過ごす時間をリラックスできるものにしたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。年末の大掃除を終え、室内が整っている今こそ、住まいの雰囲気をアップデートする絶好のタイミングです。
今回は、間接照明を使ったライティングテクニックについてご紹介します。手軽に始められる方法もありますので、お部屋づくりの参考にしてみてください。
まず間接照明とはどのようなものでしょうか。定義としては、光源の光を直接当てず、天井・壁・床などに反射させて空間を照らす方法を指します。光を拡散することで柔らかな明るさとなり、影やまぶしさを抑えられることで、リラックス効果や空間に奥行き・広がりを与える効果が生まれ、落ち着いた雰囲気づくりに適しています。
日本のご家庭では、天井に直接取り付けるシーリング照明が多く使われています。一方で欧米では、「自宅はリラックスする場所」という考えから、部屋全体を均一に明るくすることを好まず、さまざまな間接照明を組み合わせて居心地のよい空間をつくる傾向があります。
では間接照明にはどのような種類や効果があるのでしょうか。代表的な例を上げてご紹介していきます。
間接照明の種類と効果
1)フロアライト
代表的なアイテム:傘付きorアーム型のフロアスタンド、床置きボール型照明など
得られる効果:コンセントがあればどこでも設置できる。
部屋のコーナーやソファサイドに置くことで空間の雰囲気を作りやすい。
2)テーブルランプ
代表的なアイテム:デスクランプ、ボール照明など
得られる効果:読書灯などポイントを絞って照らすことができる。
素材・デザイン・サイズ等のバリエーションが豊富。
コンセントがあればどこでも設置でき、持ち運びもしやすい。
3)ウォールライト
代表的なアイテム:壁付け照明、ダウンライトを用いたウォールウォッシャー照明など。
得られる効果:光の陰影により、空間に奥行き感を生み出せる。
(※工事が必要となる場合があります。)
4)天井間接照明
代表的なアイテム:コーニス照明(上向きに光らせる)、コープ照明(下向きに光らせる)
得られる効果:光源を見せず演出でき天井の素材感を引き立たせることができる。
天井の空間を広く見せられる。
(※工事が必要となる場合があります。)
5)フットライト(足元灯)
代表的な設置場所:ベッド下、階段、廊下(屋内・屋外)
得られる効果:空間のアクセントとなるだけでなく、移動時の目印になる。
光を連続させることで廊下を長く見せる。
6)造作家具の照明
代表的な設置場所:本棚の棚下灯、飾り棚のスポット照明
得られる効果:暗くなりがちな場所を明るく照らし、飾る物の魅力を引き出す。
1)〜2)はアイテムを購入するだけで導入でき、気軽に始められます。
3)〜6)は工事が必要となる場合が多いため、新築・リフォームを行う際に導入を検討されることをおすすめします。(DIY等で工夫して取り付けることも可能です)
体験から感じた、間接照明の魅力とメリット
私自身、間接照明のありがたさを強く実感した経験があります。実家の片付けでしばらく滞在していた時、リビング・寝室ともに蛍光灯のシーリングライトだけという環境で、夜になっても青白い光に照らされ続け、リラックスすることができませんでした。そこで、ボール型フロアライトとデスクランプを購入し、夜はそれらだけを灯して過ごすようにしたところ、オレンジ色の柔らかな光に包まれ時に、気持ちがふっとほぐれていくのを感じました。
間接照明は雰囲気づくりだけでなく、散らかっている部分を強く照らさないことで、空間を「良い感じ」に見せるメリットもあります。仕事や家事、子育てで忙しい中、片付けが追いつかない日にも、やさしい光が助けになってくれます。
導入時の注意点
間接照明だけでは、作業や読書には照度が不足することがあります。料理・机作業・細かい作業など、必要に応じて局所照明を併用し、「くつろぎの明かり」と「作業の明かり」を切り替えることが大切です。
また視力が弱ってきた高齢者は、若年層と比較して3倍程度の照度が必要となるため配慮が求められます。(高齢者には電球色より蛍光灯の白い光の方が見えやすい傾向です)
そのため、調光調色付きの照明を選ぶことによって、シーンに合わせて明るさを選択することができ、家族みんなが快適に過ごせる空間になります。
最近では、スマートフォンやスマートスピーカーで照明を操作できる製品も増え、より手軽に光環境を切り替えられるようになりました。まずはフロアライト1台から、リビングの一角に取り入れてみるだけでも空間の印象は大きく変わります。ぜひ今年は「光の質」にも目を向けて、くつろぎ時間をより心地よく整えてみませんか。
みなさまの一年が、温かな光に包まれた素敵な時間となりますように。

- ・インテリアデザイナー
- ・二級建築士
輸入家具会社や大手組織設計事務所、モデルルーム会社、百貨店内装会社を経て2013年に独立。
住宅、オフィス、店舗、などのインテリアデザインの他にインテリアセミナーの講師も行う。
https://www.estedit.com/